〔あおき葬祭コラム〕第102回:お墓掃除はいつ行う? お墓掃除の時期とやり方

投稿日 カテゴリ おあきの葬祭コラム

ご先祖様が眠るお墓は、常にきれいにしておきたいと考える人は多いものです。

ただこの「お墓掃除」、どれくらいのスパンで行えばいいかわからない……という人も多いのではないでしょうか。

そんな人のために、ここでは「やり方別のお墓掃除の頻度」を紹介していきます。

<基本的にはいつ行ってもいいが、やり方別のお墓掃除の頻度も知っておこう>

お墓掃除は、「1年に〇回行わなければならないもの」「〇日間に1度は行わなければならないもの」と明確に決められているものではありません。基本的にはそのお墓と関わりのある人の判断で、行う時期を決めるとよいでしょう。

ただそれでも、「おおよその目安は知っておきたい」と考える人もいるのではないでしょうか。

そこでここでは、

・日常的なお墓掃除を行うときの頻度

・ある程度きちんとお墓掃除を行う際のタイミング

・プロにお墓掃除を依頼する際のタイミング

・お墓に異常が生じたときのお手入れのタイミング

の4つのパターンに分けて、お墓掃除の頻度・タイミングを紹介していきます。

・日常的なお墓掃除を行うときの頻度・・・月に1回程度

「今住んでいる家のすぐ近くにお墓があり、いつでも掃除に行くことができる」

「ご先祖様を悼む気持ちが非常に強く、できる限りきれいにしておきたい」

と考える人の場合は、日常的にお墓を訪れ、掃除をしてあげるとよいでしょう。

この場合は、月に1回程度が目安です。

月に1回程度足を運んでいると、お墓にも汚れがたまりにくいといえます。そのため、1回ごとのお墓掃除には、それほど手間はかからないことでしょう。

まずは足元を掃き清め、お墓を上から下に向かって水拭きをしていき、細かい小物を掃除します。そしてその後に、お供えをしておわりです。

こまめにお手入れをすることで、お墓は非常に傷みにくくなります。

「長く一つのお墓を使っていきたい」ということで、かつ近場に住んでいるのであれば、「毎月第1週目の土曜日に足を運ぶ」などのように決めてもいいかもしれませんね。

・ある程度きちんとお墓掃除を行う際のタイミング・・・年に2回程度

「お墓のある土地から離れた場所に住んでいる」

「仕事や子育てが忙しく、なかなかお墓掃除に行くタイミングがつかめない」

このような人も多いものです。月に1回足を運ぶのが理想的と思いつつも、実際にはかなり難しいというご家庭は決して少なくはありません。

このようなケースでは、お墓掃除は年に2回程度の頻度にとどまるのが現実的だと思われます。

年に2回程度お墓掃除をする場合は、「お盆」「暮れ」の時期に行うのがよいでしょう。お盆はもっとも多くの人がお墓参りをするタイミングですから、このときに一緒にお墓掃除を行います。また、新しい年をきれいな「家」でお迎えしてもらえるように、暮れ(12月)にお墓掃除を行うのもよいでしょう。

半年に1回程度しかお墓掃除ができないということになると、お墓はある程度汚れていると考えられます。そのため、必要に応じて洗剤(後述します)を使って磨き上げていった方がよいでしょう。また、水垢が溜まりやすい小物類もしっかり磨き上げます。

草が生えているようならばそれを抜き、木が生い茂っているようならばそれのお手入れもします。周りのお墓に迷惑がかからないようにするために、この「植物類のお手入れ」は入念に行う必要があるでしょう。

・プロにお墓掃除を依頼する際のタイミング・・・年に1回程度

「遠く離れた土地に住んでいるので、年に2回も帰省できない」

「新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあって、お墓のある土地にはしばらく帰るつもりはない」

という人は、年に1回程度の頻度でプロにお墓掃除を頼むとよいでしょう。もちろん、「日頃のお墓掃除は自分たちで行うが、年に1回程度はプロの手で完璧にきれいにしてもらいたい」ということで依頼をするのもよいものです。

プロにお墓掃除を依頼する場合、自分たちで掃除をする場合とは異なり、当然お金がかかります。そのため、お盆もしくは暮れの時期に1回だけ依頼するかたちをとることが多いかと思われます。

業者によって多少違いはありますが、プロのお墓掃除は、特別な技術と洗剤を使って行われます。そのため、自分たちでお手入れするよりもはるかにきれいな状態になります。

ちなみに、プロにお墓掃除をお願いする場合の相場は30000円前後でしょう。「どこまでしてもらえるか」も確認しておくことをおすすめします。

・お墓に異常が生じたときのお手入れのタイミング・・・随時

「お墓の文字が消えかけてきた」

「お墓にヒビが入っている」

このような状況にある場合は、随時お手入れを考える必要があります。

墓石は非常に頑丈なものであり、外に設置することが前提となるものです。そのため、非常に傷みにくく、一般的な風雨には耐えられるようになっています。しかしそんな墓石であっても経年劣化していくことは避けられませんし、台風などでヒビ・カケが生じる場合もあります。

このような場合は、お手入れあるいは修理を考える必要があります。

経年劣化が気になる場合は、気になったタイミングで業者に依頼します。ヒビやカケなどが生じた場合は、気づいた時点ですぐに業者に連絡をしましょう。

なおこのときに連絡するのは、「お墓掃除の業者」ではなく、「お墓を建てる業者」です、そのお墓を建てた業者がわかっていればなおよいでしょう。

なお多くの業者は、お墓の文字入れのし直し・ヒビやカケの調整を行う場合に、墓石のクリーニングもある程度してくれることが多いようです。

<お墓掃除によくあるQ&A>

ここからは、自分たちでお墓掃除を行うときによくある質問に対し、Q&A方式で答えていきます。

Q1.基本の掃除の手順を知りたい

A1.墓所の草むしり→墓石を上から順番に磨き上げる→小物のお手入れ→お供え、を行うのが一般的

上でも少し触れましたが、お墓掃除はまずは草むしりや植物のお手入れを行うことから始まります。その後でお墓を上から順番に水とブラシ、タオルなどを使って掃除をしていきます(洗剤については後述します)。また、汚れが溜まりやすい場所や、ブラシでは取りにくい汚れは歯ブラシを使って洗うとよいでしょう。そこまで終わったら、小物をきれいに磨き上げます。最後にお供えをして、手を合わせて、故人に向かい合いましょう。

Q2. お墓掃除の際の持ち物を知りたい

A2.スポンジ、歯ブラシ、草むしり用のカマやゴミ袋、手袋など

お墓掃除に必要な水をくむためのひしゃくや手桶は、霊園内に置いてあることが非常に多いので原則として不要です。また、ホウキやチリトリも貸し出しているところが多いと思われます。そのため、持ち物としては、お墓を磨き上げるスポンジや、細かい汚れをとる歯ブラシ、草むしりに必要なカマや、それを入れるゴミ袋などがあればよいでしょう。

お墓掃除は意外と手が荒れますから、手袋もお忘れなく。

Q3.お供え物はどうする?

A3.基本的には持ち帰る、花と線香はそのままでよい

花と線香はそのままお供えしておくことができますが、食べ物は持ち帰った方がよいでしょう。鳥や虫による害を防ぐためです。

Q4.洗剤はどうすればよい?

A4.業者が分かれば業者に問い合わせ

お墓掃除に限ったことではありませんが、洗剤は「洗われる対象」によって使い分けていかなければなりません。お墓掃除を行う場合、理想的なのは、お墓を建てた業者に「どんな洗剤を使えばいいか」を聞くことです。業者が分からないようならば、墓石用の洗剤を購入するとよいでしょう。

お墓掃除は、ご先祖様に向き合うためのものでもあります。

感謝と供養の思いで、しっかりお手入れしていきましょう。