〔あおき葬祭コラム〕第21回:正しいお寺のお参り作法

投稿日 カテゴリ おあきの葬祭コラム, お知らせ

日本人は仏教を信仰している人がとても多い国です。また修学旅行や観光でお寺を観に行くことも多いといえます。これはお寺に限ったことではありませんが、宗教建築物は荘厳で美しく、観る人を圧倒するものですから、当然のことともいえます。

 

しかし、お寺はあくまで「宗教施設」であり、神聖な場所です。そのためそこを訪れる際には礼節を忘れてはいけませんし、きちんとしたお参り作法を守って行う必要があります。

今回はこの「お寺を訪れるときのお参り作法」について取り上げます。

 

 

<お寺を訪れるときの作法~基本の流れについて>

 

お寺を訪れるときの正しいお参り作法について紹介していきます。

 

1.山門の前で合掌を行い、一礼をします。

お寺には山門が設けられています。この山門の外で、合掌を行いまずは一礼を行います。山門から先は仏様の居場所ですし、人の家にお邪魔をするときにもご挨拶をするものです。この手順を行ったのち、山門に入ります。

 

 

2.どちらの足から入るかは性別によって異なります。

その後に山門の中に入ることになるのですが、女性の場合は右足から、男性の場合は左足から入るのが正式なお参り作法のだといわれています。また、敷居は踏んではいけません。「足をどちらから出すか」についてはあまり気にしない人もいますが、「敷居を踏むこと」はとても失礼なバッドマナーであるといえます。

敷居を踏むことは、「神様の頭を踏みつける」ということに繋がるからです(※ただしこれには諸説あります)。なお、「敷居を踏まない」のは、お寺だけでなく、一般の住宅であっても同じです。

 

 

3.御手水を使います

御手水(おちょうず)とは、お参りの前に手や口を清める水をいいます。これは、「手水舎(ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずしゃなどと呼ばれる)」という屋根のついたところで行います。手水舎にはひしゃくと水をたたえた水盤があります。

かつては聖域(神社やお寺など)を訪れるときは近くの水場で身を清めていましたが、現在は手水舎で手や口を清めるようになりました。神社によくみられるものですが、お寺でもこれを見ることができます。

 

御手水を使うときは、まず左手でひしゃくの柄を持ちます。そして水をすくい、まずは右手を洗います。その清めた右手で水を受け、それを口に含んで口の中を洗います。その次に左右手に持ち替え、左手を洗います。最後に合(水を救う丸い部分)の根元である月形を左手で持ち、ひしゃくを立てるようにして柄を洗い、最後にこれを戻します。

この手順をとるのは、「自分の手がついたところをきれいに洗い流し、次に使う人が気持ちよく使えるようにするため」という意味があります。

 

なおここでは「1人で洗う方法」を紹介していますが、同行者がいる場合は両手を洗って、両手で水を受けて口をすすぐ……というやり方でも問題ありません。いずれの場合でも、最後の手順まで1杯の水で行います。

 

 

4.お賽銭を入れる~お焼香までの手順について

身を清めた後は、いよいよお参りを行うことになります。

まずお賽銭を入れることになりますが、このときはお金は投げずに、そっと落とすのが基本です。

お賽銭を入れたら、胸の前で静かに手を合わせて、一礼を行います。

その次に焼香を行います。焼香の回数は、厳密には宗派によって異なります。ただし一般の参列者の場合、その回数が問われることはほとんどありません。「前もって学習したので知っている」「菩提寺なのでどこの宗派かわかっている」などのような特例を除き、焼香の回数は1回と考えてよいでしょう。

焼香を行うときは、親指と人差し指、そして中指でお香をつまみみます。そして額の前で一度お香をおしいただき、その後で香炉の中に落とします。これらの作業はすべて静かに行うことが重要です。

 

 

5.合掌してお祈りをし、一礼をします。

胸の前で手を合わせて、一礼をします。合掌を行うときにお祈りもしますが、このときはたくさんのことを願うのではなく、1つだけにしましょう。

 

 

6.お寺を辞するときにも一礼をします。

お寺の中を見てまわり、帰るときにも合掌をして一礼をして出ていくようにします。入るときに挨拶をしたのですから、帰るときも挨拶をしなければなりません。

 

 

ここまで紹介してきたのが、「お寺でのお参り作法の基本」です。「焼香の回数」や「入るときの足の順番」などのようにあまり問われない部分もありますが、「敷居を踏まない」などのように非常に大切なマナーもあります。このあたりをきちんと理解してお寺を訪れることで、仏様に対する敬意を表することができます。またこれは同時に、「仏教を大切にする人」に対してのマナーや敬意でもあります。

 

 

<お参り作法、やってしまいがちな2つの注意点についても把握しておきたい>

お寺のお参り作法のなかには、「ついやってしまいがちなこと」「間違ってやってしまう可能性が高いこと」もあります。

そのうちの2つを取り上げます。

 

 

1.二礼二拍手一礼は、神社のお参り作法です。

「二礼二拍手一礼」の文化は広く知れ渡っていますし、お寺にお参りをするときもこのやり方をとる……と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかしこれは神式(神道)のお参り作法であり、お寺のお参り作法ではありません。

 

日本では、「神仏混合」の時代が長く続いていました。「神仏分離」の策がとられたあとも、仏教と神道で似通った部分が多くあります。しかし「二礼二拍手一礼」の文化は神道にのみみられるものであり、お寺のお参り作法ではありません。

神社のお参り作法とお寺のお参り作法を混同しないようにしたいものです。

 

 

2.線香は手で消すもので、息で吹き消すものではない点にもご注意を。

お寺のお参り作法として、「線香をたく」「ろうそくをお供えする」というものがあります。多くのお寺で線香を求めることができ、これに火をつけてお供えした人もいるのではないでしょうか。

この線香やろうそくの火を消すときは、息で吹き消してはいけないとされています。

「息」は生臭のものであり、不浄のものと考えられています。このため、息をふきかけて消すのはバッドマナーとされます。

この価値観は、「お寺のお参り作法」だけではなく、「仏壇の線香」にも適用されます。また線香だけでなく、ろうそくなどにも同じことがいえます。誕生日などに使われるろうそくと仏壇やお寺に供えられる線香やろうそくは違う意味を持つものです。

線香などの火を消すときは、手で仰いで消したり、振って消したりするようにしてください。線香ならば、おそらく「手で仰いで消す」のやり方がもっともやりやすいかと思われます。

 

 

このように、お寺にお参りする際には「確認しておかなければならないマナー」がたくさんあります。足を運ぶ場合には、まずは基本のマナーを確認しておきましょう。お寺はあくまで「聖域」です。観光名所のひとつとして数えられており、旅行で足を運ぶ人も多いかと思われますが、そこにおわす仏様や宗教者、そしてその宗教を信じる人に対して敬意を示すためにも、事前にマナーを学んでおくことは非常に重要だといえます。「しっかりと勉強したうえで少し間違ってしまうこと」と、「まったく勉強せずに行くこと」はまったく意味が異なるからです。

なお今回は「お寺のお参り作法」としてお参り作法を紹介しましたが、ほかの宗教施設を訪れる際にも、この点は意識したいものですね。