神道と葬儀

神道

 神道は、日本民族の古来の自然信仰を基礎に神秘と畏敬の念を抱かせるものを広く神として信仰の対象としてきました。
 現在、教団として活動しているものには、神社を中心とする「神社神道」と、江戸時代以降に成立した「教派神道」とがあります。
 教派神道には、山岳信仰系の実行数、御嶽教など、教祖の宗教体験を中心とする黒住教、金光教、大本など、禊系の禊教など、儒教系の神道修成派など、国学や復古神道の影響を受けた出雲大社教などがあります。
 神社は地域を守護する鎮守の神や産土の神などを祭り、全国各地に約8万あります。神社神道の中で最大の教団は神社本庁で、神社の99.6%が神社本庁に加盟していると言われています。
 神社神道には特に教理として定まったものはありません。自然信仰と民族的な伝統を大切にします。
 江戸中期までは葬儀に係わることはなく、幕末期に儒葬の影響を受けて始まり、戦後に定式化しました。神葬祭は2%程度しかありません。
 神社本庁では『神葬祭の栞』としてまとめており、以下にそれをまとめました。

神葬祭の用語

①神職
 神官のこと。葬儀執行を務めるのは斎主、サブを務めるのが副斎主。仏教の式衆にあたるのが祭員、雅楽を奏でる人を伶人と言う。
②案
 テーブルのこと。白木の八足を用いる。食べ物である饌を載せるのを饌案、玉串を奉奠するのを玉串案、神への進物である幣帛を供える幣案などがある。
③壁代
 祭場を装飾する白布のこと。白幕。
④真榊
 ツバキ科の常緑亜高木。榊の美称。神に供えるもの。枝葉は玉串として用い、真榊は祭場の柩の手前の両サイドに供える。
⑤旗(幡)
 祭場には白旗、黄旗が飾られ、柩の後ろには故人名を記した銘旗が飾られる。
⑥帰幽
 死亡すること。死亡すると神棚、祖霊舎に奉告し、前面に白紙を貼り封じる。また産土の神社(氏神様)に帰幽奉告する。
⑦霊璽
 霊の依り代。通夜に葬礼祭を営み、遺体から霊を霊璽に移す。霊璽は以後仮御霊舎に祀る。五十日祭の後の清祓後に祖霊舎に移し、家の守護神として祭る。(仏教の位牌に相当)
⑧饌
 食べ物のこと。調理をしていない洗米、塩、水などを生饌、調理積みの食べ物を常饌と言う。
⑨手水
 式に参列する前には各自手水の儀を行う。手順は、右手の柄杓で左手を洗い、次に左手に柄杓を持ち右手を洗い、最期に右手に柄杓を持ち左手で水を受け口をすすぐ。

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